2026年4月 アーカイブ
2026年4月27日 5時01分11秒 (Mon)
武道、武術、格闘技の団体のカラー
だいぶ前のことですけれど、知り合いの空手の先生を、諸賞流の稽古にお連れしたことがありました。空手の先生が是非とも諸賞流を体験してみたいとおっしゃったので、そうした訳です。
そして、稽古後に先代の御宗家が我々を御自宅に招いてくださいまして、お食事を振る舞ってくださいました。その際に、空手の先生は、私の態度に違和感を覚えたようです。
後日、空手の先生曰く、「お前は、御宗家の手伝いもせずに、ただ飲み食いをしていただけで、弟子としての礼儀がなっていない」。これに対して、私は「他人のお宅で、客が勝手に動き回る方が失礼です」と応えました。私は、いまだにどちらも正しいと思っています。
たしかに、私は先代に対して慣れすぎていたとは思います。若い頃は、先代達と朝まで飲み明かしたこともありましたし、就職してから盛岡に伺った際は先代のお宅に泊めて頂いていたので、師弟間の厳格な規律みたいなものは皆無でした。
これはひとえに先代のお人柄によるところが大きくて、諸賞流の稽古場も、稽古内容はともかくとして、人間関係は極めてアットホームな感じでした。
一方で、無辺流の先代には近寄り難い怖さみたいなものがありましたから(先代は何もしていませんよ。念のため)、同じ道場内なのに、雰囲気が微妙に異なっていました。
諸賞流と並行して稽古していた合気道では、岩間の斉藤守弘先生(故人)を実質的なグループのトップとして稽古していましたけれども、末端の一学生から見た斉藤先生は、一言で言って"怖い"人でした。
大学の御師範や内弟子の方々等の、私から見れば達人クラスの人々が、斉藤先生の一挙手一投足に全神経を集中させて緊張している姿を見れば、自然と畏怖心みたいなものがつくものです。
それても、大学の御師範をはじめ皆さんが斉藤先生を慕っておられたので、何でだろうと思っていたのですけれど、岩間で知り合っていまだに付き合いのある先輩によると、「斉藤先生には、厳しさの中に『こいつを人間として一人前にしてやろう』という愛があった」とのことでした。おそらく、稽古以外の日常生活の態度にも厳しかったのは、そうした気持ちがあったからでしょう。
稽古場のみならず、岩間の敷地全体に張り詰める緊張感は、いまだに忘れられません。
杖術を始めてから所属している団体の実質的なトップは、杖術以外にもいくつかの武術を稽古されていて、その全てにおいて研究熱心な方なので、自ずと団体のカラーも、技の研究みたいな方向に向かいます。
一方で、団体の雰囲気として、上下関係や礼儀のようなことに無頓着なところがあって、見学にいらした方が、「御師範に対するリスペクトが無さ過ぎる」と言って呆れていた(なかば嫌悪していた)と、聞いたことがあります。
たしかに、私も入会した当初は、自由過ぎる雰囲気に、「これで良いのか?」と思っていました。ただ、技を研究するのにも自由度があるので、これはこれで良いかと、今は思っています。
同じ武道、武術、格闘技の団体と言っても、そのカラーは様々です。礼儀を重んじる所、強さを求める所等々。何を重視するのかは、何を求めるのかによりますから、何が正しい、正しくないの問題ではありません。団体のカラーが自分の肌に合わなければ、無理にそこで続けることもありません。
ただ、核になるのは技術ですから、自分が何を学びたいのかをしっかり考えて、稽古先を選びましょう。
そして、稽古後に先代の御宗家が我々を御自宅に招いてくださいまして、お食事を振る舞ってくださいました。その際に、空手の先生は、私の態度に違和感を覚えたようです。
後日、空手の先生曰く、「お前は、御宗家の手伝いもせずに、ただ飲み食いをしていただけで、弟子としての礼儀がなっていない」。これに対して、私は「他人のお宅で、客が勝手に動き回る方が失礼です」と応えました。私は、いまだにどちらも正しいと思っています。
たしかに、私は先代に対して慣れすぎていたとは思います。若い頃は、先代達と朝まで飲み明かしたこともありましたし、就職してから盛岡に伺った際は先代のお宅に泊めて頂いていたので、師弟間の厳格な規律みたいなものは皆無でした。
これはひとえに先代のお人柄によるところが大きくて、諸賞流の稽古場も、稽古内容はともかくとして、人間関係は極めてアットホームな感じでした。
一方で、無辺流の先代には近寄り難い怖さみたいなものがありましたから(先代は何もしていませんよ。念のため)、同じ道場内なのに、雰囲気が微妙に異なっていました。
諸賞流と並行して稽古していた合気道では、岩間の斉藤守弘先生(故人)を実質的なグループのトップとして稽古していましたけれども、末端の一学生から見た斉藤先生は、一言で言って"怖い"人でした。
大学の御師範や内弟子の方々等の、私から見れば達人クラスの人々が、斉藤先生の一挙手一投足に全神経を集中させて緊張している姿を見れば、自然と畏怖心みたいなものがつくものです。
それても、大学の御師範をはじめ皆さんが斉藤先生を慕っておられたので、何でだろうと思っていたのですけれど、岩間で知り合っていまだに付き合いのある先輩によると、「斉藤先生には、厳しさの中に『こいつを人間として一人前にしてやろう』という愛があった」とのことでした。おそらく、稽古以外の日常生活の態度にも厳しかったのは、そうした気持ちがあったからでしょう。
稽古場のみならず、岩間の敷地全体に張り詰める緊張感は、いまだに忘れられません。
杖術を始めてから所属している団体の実質的なトップは、杖術以外にもいくつかの武術を稽古されていて、その全てにおいて研究熱心な方なので、自ずと団体のカラーも、技の研究みたいな方向に向かいます。
一方で、団体の雰囲気として、上下関係や礼儀のようなことに無頓着なところがあって、見学にいらした方が、「御師範に対するリスペクトが無さ過ぎる」と言って呆れていた(なかば嫌悪していた)と、聞いたことがあります。
たしかに、私も入会した当初は、自由過ぎる雰囲気に、「これで良いのか?」と思っていました。ただ、技を研究するのにも自由度があるので、これはこれで良いかと、今は思っています。
同じ武道、武術、格闘技の団体と言っても、そのカラーは様々です。礼儀を重んじる所、強さを求める所等々。何を重視するのかは、何を求めるのかによりますから、何が正しい、正しくないの問題ではありません。団体のカラーが自分の肌に合わなければ、無理にそこで続けることもありません。
ただ、核になるのは技術ですから、自分が何を学びたいのかをしっかり考えて、稽古先を選びましょう。
2026年4月9日 21時50分09秒 (Thu)
廻刀動作での指や手のひらの使い方
「小指と同等か、それ以上に役に立っている指があると思う」の回と、「手の指についての、とりあえずのまとめ」の回では、指の動きを中心に書きました。ただ、読み返してみると、あれにもこれにも対応しようとして、指を、どんなときにどう使うのかが、結局よく分からないものになっているように、今さらながらに思います。
そこで、今回は、剣術の基本になる廻刀動作に的を絞って、指の使い方や手のひらの使い方をまとめてみようと思います。
基本的な廻刀動作の始まりでは、手元を中心線に沿って上げて、相対的に剣先を体の側面に落とすことになります。その際に、右手の指は全体的に軽く伸ばして、柄の鍔側を、主に、右手の親指のIP間接(先端側から1番目の間接)と、人差し指の其節骨(先端側から3番目の骨)とで挟み、軽く伸ばして人差し指に揃えた第3~5指を、柄に軽く添えます。
左手の指も全体的に軽く伸ばして、右手よりも若干開き、親指の中手骨(先端から3番目の骨)と、人差し指の中手骨(4番目の骨)との間にできる股の部分が、柄の柄尻側に触れる程度にします。場合によっては、左手は、柄から離してしまってかまいません。
そこから、対象に向かって斬り込んでいく際には、右手の中指、薬指、小指の順に軽く絞め込んでいき、柄を、小指球と母指球の間にある手根(手首近くの丘)と手の窪(てのくぼ)に収めていきます。
右手の操作で、左手で柄が掴める位置に来たところで、左手の薬指と小指を軽く締め込み始めて、柄を、左手の手根と手の窪に収めます。
そして、刃が対象に当たり始める前後で、柄を、小指球及び母指球の手の窪側と、小指及び薬指とで締め込みつつ、親指の中手骨(3番目の骨)で(棒等の場合には人差し指の第三間接周辺で)上から抑え込みます。その際に、薬指を旋回軸にして、小指と、親指の中手骨とで相互に逆向きの回転力を与える心もちで、柄を締め込みます。
剣術の基本なのでしょうけれども、文章で説明するとたいへんです。ただ、映像等で解った気になるより、一文いちぶん、精査して書いていく、或いは読解していく方が、案外、理解の近道であるように思います。
そこで、今回は、剣術の基本になる廻刀動作に的を絞って、指の使い方や手のひらの使い方をまとめてみようと思います。
基本的な廻刀動作の始まりでは、手元を中心線に沿って上げて、相対的に剣先を体の側面に落とすことになります。その際に、右手の指は全体的に軽く伸ばして、柄の鍔側を、主に、右手の親指のIP間接(先端側から1番目の間接)と、人差し指の其節骨(先端側から3番目の骨)とで挟み、軽く伸ばして人差し指に揃えた第3~5指を、柄に軽く添えます。
左手の指も全体的に軽く伸ばして、右手よりも若干開き、親指の中手骨(先端から3番目の骨)と、人差し指の中手骨(4番目の骨)との間にできる股の部分が、柄の柄尻側に触れる程度にします。場合によっては、左手は、柄から離してしまってかまいません。
そこから、対象に向かって斬り込んでいく際には、右手の中指、薬指、小指の順に軽く絞め込んでいき、柄を、小指球と母指球の間にある手根(手首近くの丘)と手の窪(てのくぼ)に収めていきます。
右手の操作で、左手で柄が掴める位置に来たところで、左手の薬指と小指を軽く締め込み始めて、柄を、左手の手根と手の窪に収めます。
そして、刃が対象に当たり始める前後で、柄を、小指球及び母指球の手の窪側と、小指及び薬指とで締め込みつつ、親指の中手骨(3番目の骨)で(棒等の場合には人差し指の第三間接周辺で)上から抑え込みます。その際に、薬指を旋回軸にして、小指と、親指の中手骨とで相互に逆向きの回転力を与える心もちで、柄を締め込みます。
剣術の基本なのでしょうけれども、文章で説明するとたいへんです。ただ、映像等で解った気になるより、一文いちぶん、精査して書いていく、或いは読解していく方が、案外、理解の近道であるように思います。
2026年4月7日 12時51分42秒 (Tue)
杖術における逆手での手のひらの使い方
神道夢想流の逆手の構えにおける手のひらの使い方は、本手(順手)や一般的な剣術とは、異なります。
逆手では、杖を、指尖球(人差し指から小指までの付け根)と、対向する母指球と小指球とで挟み、指尖球に沿って手の窪(てのくぼ)に収めます。
小指球でも杖を挟むことが基本ですけれども、拳の位置によっては無理が生じますので、その際には小指球を緩めてかまいません。ただし、多少のズレはあっても指尖球からは外しません。
逆手では、杖を、指尖球(人差し指から小指までの付け根)と、対向する母指球と小指球とで挟み、指尖球に沿って手の窪(てのくぼ)に収めます。
小指球でも杖を挟むことが基本ですけれども、拳の位置によっては無理が生じますので、その際には小指球を緩めてかまいません。ただし、多少のズレはあっても指尖球からは外しません。
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